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最高裁判所第二小法廷 昭和43年(オ)948号 判決 1969年2月21日

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告代理人梅本敬一の上告理由第一点について。

原判決挙示の証拠によると、所論の点の原判決の事実判断はかならずしも肯認しえないわけではなく、したがつて、上告人の自白の徹回を許さないとした原判決の結論は、当審も、正当としてこれを支持することができる。

原判決には、所論のような違背はなく、所論は、結局、採用しがたい。

同第二点について。

被用者の任務等の変更により身元保証人の責任が加重するなどのときには、身元保証人が身元保証契約を解除することのできることは身元保証ニ関スル法律四条の明定するところであり、したがつて、肥塚俊三が所論のように被上告人(銀行)の堺支店長に就任したからといつて、同人の本件身元保証契約が失効するいわれはない。

原判決が、本件身元保証契約は失効しないとした判断は正当であり、所論は、採用しがたい(論旨引用の裁判例は事案を異にする。)。

同第三点について。

原審がその挙示の証拠により適法に確定した事実関係のもとでは、上告人の責任金額に関する原判示に所論のような違法があるとはいえない(なお、論旨中違憲をいう部分はその実質は違法をいうにすぎない。)。

所論は、結局、採用しがたい。

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 草鹿浅之介 裁判官 城戸芳彦 裁判官 色川幸太郎 裁判官 村上朝一)

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